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『野火』(のび)は、大岡昇平の小説。1951年、「展望」に発表。翌年に創元社から刊行された。作者のフィリピンでの戦争体験を基にする。死の直前における人間の極地を描いた、戦争文学の代表作。読売文学賞受賞作。
題名の「野火」とは、春の初めに野原の枯れ草を焼く火のこと。
あらすじ
太平洋戦争末期の日本の劣勢が固まりつつある中でのフィリピン戦線が舞台である。 主人公田村は肺病のために部隊を追われ、野戦病院からは食糧不足のために入院を拒否される。現地のフィリピン人は既に日本軍を抗戦相手と見なす。この状況下、米軍の砲撃によって陣地は崩壊し、全ての他者から排せられた田村は熱帯の山野へと飢えの迷走を始める。 律しがたい生への執着と絶対的な孤独の中で、田村にはかつて棄てた神への関心が再び芽生える。しかし彼の目の当たりにする、自己の孤独、殺人、人肉食への欲求、そして同胞を狩って生き延びようとするかつての戦友達という現実は、ことごとく彼の望みを絶ち切る。 ついに「この世は神の怒りの跡にすぎない」と断じることに追い込まれた田村は「狂人」と化していく。
1959年には大映で映画化された。角川エンタテインメントからDVDが発売されている。 硬質なモノクロームの映像美が印象深い。 データ復旧
を食う場面は、映画内では「栄養失調で歯が抜け、食べられなかった」という処理が行われた。これは、映画の持つ表現の直接性を考慮し、観客に「食べなくてよかった」と感じさせるための変更である。市川・和田コンビの才気をうかがわせる名場面である。
『整体 学校
の森』(ノルウェイのもり)は、村上春樹の長編小説。
概要
1987年9月、講談社から書き下ろし作品として上下巻が刊行、1991年に講談社文庫として文庫化、2004年に文庫改訂版が出された(なお単行本にはあとがきが付されているが、文庫版には掲載されていない)。執筆はギリシャ、シチリア、通販
で行われた。そのため引き続いてロンドンで執筆した『ダンス・ダンス・ダンス』とともに「異国の影のようなものが宿命的にしみついている」「結果として書かれるべくして書かれた小説」「もし日本で書かれていたとしたら、(中略)これほど垂直的に「入って」いかなかったろう」と村上は『遠い太鼓』に書いている。なお、前者は手書きで、後者はワードプロセッサーで執筆された。1987年3月7日、モバイル アフィリエイト
から17時間休みなしで第一稿を深夜に書き上げる。直後の日記に「すごく良い」とだけ書き記した。3月26日、第二稿完成。すべてボールペンで手書き。
学生運動の時代を背景として、主人公「僕」と、自殺した友人の恋人「直子」を軸に、さまざまな思春期の葛藤や人間模様、恋愛、喪失感などを巧みに描き、非常に広く読まれている。後述のように上巻は、片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本小説単行本の発行部数トップであった。
主人公の通っている「東京の私立大学」は村上の母校早稲田大学を、「主人公が入っていた寮」は入寮していた和敬塾をモデルにしているなど、この作品は村上の実体験を基にした「自伝的小説」であるとも見られるが、本人はこれを否定している。
元となる作品として短編小説の「螢」がある。
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏のほか、ドイツ、フランス、ロシア、中国、台湾、韓国などでも翻訳されている。ノルウェー語にも翻訳された。
2008年、ベトナム系フランス人監督トラン・アン・ユンによる携帯 アフィリエイト
化が発表された。日本人キャストの起用が計画されており、クランクインは2009年、公開予定は2010年。
あらすじ
1987年、37歳になった主人公の「僕」は、ハンブルク空港に到着した飛行機の中で流れるビートルズの「ノルウェイの森」のオーケストラを耳にして、18年前に死んだある女性のことを思い出す。
18年前の1969年、「セミナー
」は故郷の街から上京して大学寮に住み始めた。高校のときに唯一無二の親友キズキが自殺をして以来、「僕」は自分の周りの世界との間に「しかるべき距離」をおこうとするようになっていた。そんな生活の中で、「僕」はふとしたことから生前のキズキの恋人、直子と東京で再会する。やがて二人はよく一緒に出掛けるようになり、「僕」は直子に対して思いを抱くようになるのだが、それと同時に彼女と共にいることで「僕」は言いようのないもの哀しさにとらわれてもいた。なぜなら直子が必要としていたのは「僕」という人間ではなくて、「誰か」でしかなかったからだった。
「僕」と直子はお互いに過去から逃れることを求めて上京してきていた。そんななかで二人は出会い、まるで失われたものを共有するかのようにお互いを必要とするようになる。そして直子の20歳の誕生日に直子のアパートで誕生日を祝う最中、突然泣き出した直子を鎮めようとして、「僕」は直子と寝ることになる。 それ以降直子からの連絡は途絶え、次に「僕」がアパートに行ってみたときにはもうすでに直子は引っ越してしまっていた。「僕」は直子の実家に手紙を書くが返事はなく、また退屈さしか得られないような生活へと戻って行く。
他にするべきこともない「僕」は大学の授業に毎日出席し、アルバイトをし、毎日をどうにかやり過ごしていたのだが、そのなかで同じ講義を取る一年生の緑と話をするようになる。一風変わった緑との関係は「僕」の生活を少し楽にしてくれる。ある日緑の家に招かれた「僕」は、緑になんとなくキスをする。緑は自分には恋人がいると言い、そのキスはどこにもたどり着かないのだが、その後も二人はしばしば会うようになっていく。
「僕」が直子を愛しているような直接的な表現はないが、その行動からはもはや一時でも直子のそばにいたいという思いが切々と伝わってくる。何カ月か経って直子は手紙で、自分が精神疾患者が共同生活を送る施設にいることを知らせてくる。そこへ訪ねていった「僕」は、直子のルームメイトであるレイコさんと知り合う。
直子は「僕」に好意を持っていることは確かなのだが、その好意がどのようなものであるかは明らかにならない。直子は以前にも増して美しく、しかし今にもこの世から消えてしまいそうに儚い。「僕」は一心に直子に手紙を書く一方で、孤独な学生であり続けながら、自分でも気づかないうちに成長していく。 やがて直子の症状は悪化し、一方で「僕」と緑はいつの間にか、お互いにかけがえのない存在となる。
そして直子が選んだ道は。「僕」と緑はどうなるのか…。
登場人物
僕
主人公。神戸の高校を卒業後、東京の私立大学に進学(学生運動に関する記述など、一部の設定については、村上の母校である早稲田大学と重なる部分が見られる)。フルネームは「ワタナベトオル」。
キズキ
直子の恋人で「僕」の高校時代の同級生。自宅のN360の中で自殺する。
直子
キズキの幼なじみで恋人。高校卒業後、東京の大学に進学。後に京都にある精神治療施設「阿美寮」に入院。
突撃隊
「僕」が入った寮の最初の同室人。国立大学で地図学を専攻。国土地理院への就職を希望。
永沢さん
「僕」が入った寮にいる先輩。学籍は東京大学法学部。実家は名古屋で病院を経営。外交官を志望。独自の人生哲学を持っている。
ハツミさん
永沢さんの恋人。学籍は「とびきりのお嬢様が通う」東京の女子大。
小林緑
「僕」と同じ大学で同じ授業(「演劇論 II」)を受講。実家は大塚で書店を経営。
レイコさん
直子が入った精神治療施設の同室人。かつて音楽大学に通っていた。フルネームは石田玲子。
タイトルの由来
村上はこの「ノルウェイの森」というタイトルについて初めは気に入っていなかった。この作品は「雨の中の庭」というタイトル(ドビュッシーの「雨の庭」(Jardins sous la pluie)から)で書き始められ、途中で「ノルウェイの森」というタイトルに変更された。題名に迷った村上が妻に作品を読ませて意見を求めると、「ノルウェイの森でいいんじゃない?」という返答があった。また、村上自身は特別なビートルズファンではないという。